日本のeスクーターシェアリングサービス

新しい生活様式となって近隣での移動が増えてきた、ニューノーマル時代。少しの移動をこれまでよりストレスフリーに出来たら生活が楽しくなりそうですよね。そこで今回は、eスクーターのシェアリングサービスをご紹介します。
eスクーターとは
まず、eスクーターという言葉に聞き馴染みのない方が多いと思いますが、いわば“電動の”キックスケーターです。普通のキックスケーターとの違いは、電動式のモーターが付いていること。つまり、手元のレバーを操作するだけで電動で加速・停止ができる便利な乗り物なんです。
欧米ではこのeスクーターがシェアリングサービスを介して非常に普及していて、地元住民の生活や観光客の移動手段としても大人気となっています。
移動をスマートに
そんなeスクーターのシェアリングサービスが日本でも開始に向けて動き出しています。日本では「LUUP」・「mobby」・「ema」などを運営している企業がシェアリングサービス実現に向けて実証実験や法改正に尽力しています。
サービスの利用方法として「LUUP」の例をご紹介します。
ステップ1. スマートフォンでアプリをダウンロードする
ステップ2. 街中のポート(駐輪場)にあるeスクーターのQRコードを読み取る
ステップ3. eスクーターを返却し、駐車時の写真を撮る
これだけ。とても簡単です。
料金は初乗り100円/10分、以降1分ごとに10円となっています。支払いもクレジットカード情報を登録しておくだけで、アプリ内で完了できます。少しの移動にとても便利ですね!
eスクーター人気の理由
欧米を含め世界各国で広がりを見せているeスクーターのシェアリング市場ですが、2025年時点で4~5兆円の市場規模にまで拡大する見込みとなっており、大いに注目されています。なぜここまで拡大し続けているのでしょうか?
その主な理由として、都市部での道路渋滞の増加です。特にピーク時の道路渋滞が問題となっていたなか、それぞれの国が毎日の通勤手段としてキックスクーターを奨励しました。また、駐車場としてより少ないスペースで済むので、路上駐車などを減らす効果もあって交通渋滞の軽減に大きく貢献しました。
主要なユーザーも20~35歳のミレニアム世代で、通勤を楽しむツールとして人気を集めました。この世代は、所有するよりもシェアリングをする傾向が強いのと、一人旅で新しい場所での探索や観光のためにサービスを利用するニーズが高いこともあって、シェアリングサービスの需要が一気に拡大したとされています。
当初は男性のユーザーが圧倒的に多かったのですが、最近では女性のユーザーも増えてきています。他の乗り物(自転車など)に比べて、デザイン性や非常に軽く持ち運びがしやすい点が人気を集めています。
環境問題にも
eスクーターは環境問題にも大きく貢献できると言われています。自動車と比べてCO2排出量が大幅に少ないからです。1人キロ当たりの排出量は自動車の1/40とされており、少しの移動を自動車からeスクーターに置き換えるだけで、環境にやさしい生活を送ることができます。
離れた土地の価値向上
eスクーターが普及すると人の行動範囲が広がり、離れた土地の価値を向上させることにつながります。例えば、観光地が駅やバス停から少し離れている場合、その周辺にeスクーターのポートを設置し観光地にアクセスしやすい環境を整えれば、観光客増加が期待できるでしょう。
eスクーターの日本の現状
eスクーターは電動式のモーターが搭載されていることから、日本の法律では原付と同じ扱いとなっています。つまり、運転免許を持っていること・公道を走ること・ヘルメットを着用することなどが義務付けられています。そこで、eスクーターシェアリング事業を推し進める株式会社LUUP、株式会社mobby ride、株式会社EXxの各社が東京・神奈川・兵庫・福岡などで実証実験を行い、課題解決に取り組んでいます。実験の参加者からは、「思ったよりもスムーズに乗ることができ、移動がとても楽になった。」といった好感の声や「ナンバープレートが車体に対して大きく、足や物が引っかかることがある。」「ヘルメットなしで自転車と同じように乗りたい。」など様々な声が聞こえています。これにより、マイクロモビリティ推進協議会は、ヘルメットの着用を任意とすること・運転免許不要による運転・ナンバープレートに代わる機体識別方法などを要望として関係省庁に提出しました。
試乗会に参加してみては?
コロナ禍において、密集をさけて利用でき簡単に乗れるeスクーターのようなマイクロモビリティは非常に注目されています。先述しeスクーターシェアリングサービスを推し進めている3社は、日本各地で実証実験や試乗会を開催しています。こちらには気軽に参加できるので、新しい乗り物には興味がない、現状で満足しているという方もいつか来るであろうeスクーターを活用した社会に向けて、参加してみてはいかがでしょうか?