日本でも普及が進むスマートホーム、その背景とおすすめのスマート家電

2017年から2018にかけて日本で発売されはじめたスマートスピーカー。これにより、日本でも「スマートホーム」という言葉が一気に認知されるようになりました。IT専門の調査会社IDC Japan株式会社によると、2019年7月時点で、世界全体のスマートホームデバイス出荷台数が、2019年末に8億4,070万台、2023年には14億6,000万台になると予測しています。そこで今回は、今後さらなる普及が期待されるスマートホームについて、そのなかでも、特に生活に欠かせない家電を紹介しつつ、導入データや普及が進む背景についてお伝えします。
普及が進むスマート家電の現状
冒頭で、スマートホーム市場が急成長すると予測されていることに触れました。また、2019年(1~3月)だけでもスマートデバイスの出荷台数は世界全体で1億6,860万台。これは前年比で37.3%もの増加です。この急成長を支えているスマートデバイスは、スマートTV、スマートスピーカー、ドアロックなどで、そのなかでもスマートスピーカーは、前年比133.9%増と、特に急成長を遂げています。
スマートスピーカーは、それ単体でもさまざまな機能を持っていますが、それ以上にほかのスマート家電のハブとして、多くのスマート家電を音声操作することで、便利で快適な生活を実現します。単なるスマート家電よりも、コネクテッドデバイスであるスマートスピーカーが普及することが、今後、スマートホーム市場をけん引していくのに大きな効果があると予測できます。
また、スマートホームの普及は、政府が推し進めるスマートハウス・スマートコミュニティ・エネルギーの実現にも大きく貢献します。経済産業省(産業構造審議会 新産業構造部会)は2016年4月に、「新産業構造ビジョン~第4次産業革命をリードする日本の戦略~中間整理」を発表。このなかで、家庭内機器のIoT化による高付加価値化、機器とサービスの融合が進むと同時に、電力使用量の可視化がなされ、電力消費量の最適化を実現するとしています。こうしたことから、スマート家電を活用したスマートホーム化は、今後さらに普及が進んでいくと予測できます。
スマートホーム家電が普及する背景
スマート家電を導入する人が増え、それがスマートホームの普及につながっている理由としては、前項で説明したように便利で快適な生活を送れること、そして、政府が推し進めるスマートハウス・スマートコミュニティ・エネルギーの実現が理由として挙げられます。しかし、便利で快適な生活を求める一方で、より深く見ていくと、現在の社会的な問題も大きく関与していることがわかります。具体的には次のようなことがスマート家電普及の背景の1つとなっています。
- 家事負担の軽減
男女共同参画白書(平成30年版)によると、共働き世帯は年々増加を続けています。1980年に男性だけが働いている世帯(1,114万世帯)が共働き世帯(614万世帯)の約1.8倍。これに対し、2017年には共働き世帯(1,188万世帯)が男性だけが働いている世帯(641万世帯)の約1.8倍と、ほぼ形勢逆転した状態になっています。共働き世帯が増えたことで世帯収入は高くなるものの、互いに家にいる時間が減ることでどうしても家事がおろそかになってしまうことは否めません。そこで、少しでも家事の負担を減らすため、ロボット掃除機やスマート電子レンジなどを購入するケースが増えています。
- 遠隔地に住む両親の見守り
共働きが増えると同時にもう1つ増加しているのが核家族化です。総務省が作成したデータ、「親族世帯数に占める核家族世帯数の比率の推移」を見ると、2015年の段階で85.4%。2035年には89.0%まで増加すると予測されています。ここで問題となるのが、遠隔地に住む両親の健康状態です。一緒に住んでいれば万が一の際にもすぐに対応ができますが、遠隔地に住んでいるとなるとそうもいきません。そこで、ネット接続カメラや見守りカメラを設置し、万が一の際にはすぐに電話やメールで連絡が通知されるように設定するケースも増加しています。
- 晩婚化によるセキュリティ対策
3つめの社会的な問題は晩婚化です。内閣府による「少子化社会対策白書(令和元年版)」によると、2015年の30~34歳の未婚率は47.1%(男性)、34.6%(女性)。35~39歳では35.0%(男性)、23.9%(女性)。30代後半でも男性の3人に1人、女性の4人に1人が未婚ということは、必然的に1人暮らしも増えていることになります。その結果、特に女性の1人暮らしにおいて、セキュリティ対策として、スマート家電を購入し、自宅のテレビや照明を外出先から操作してオンにするケースも増えています。
スマートホームを実現する際におすすめの家電
さまざまな理由から普及が進みつつあるスマートホーム。ここではまずは気軽に導入が可能なスマート家電をいくつかご紹介します。
快適な生活を実現するためには、家のなかの湿度、温度、不快指数をコントロールすることが重要です。特に小さなお子さんがいる家庭では、温度、湿度などのコントロールは皮膚疾患対策としても効果的です。SPACESHIP LAMP S3は、スマートフォンアプリで操作できる小型のライトで、快適な生活空間を実現するうえで、欠かせない温度、湿度、不快指数を計測する機能を搭載。皮膚疾患のほか、睡眠障害やストレスの軽減にも効果を発揮します。
SENSIBO SkyもSPACESHIP LAMP S3と同様、快適な生活空間をつくるうえで欠かせないエアコンの専用コントローラーです。スマートフォンアプリ経由での遠隔操作はもちろん、消し忘れを防ぐ1週間のスケジュール管理などの機能を有しています。また、部屋の温度・湿度モニターが搭載されているため、「気温が30度を超えたら25度設定で冷房を入れ、23度になったら電源を切る」といった細かい設定による自動運転も可能です。ほかにも、スマートフォンのGPSを活用し、自宅の半径100~8,000mの範囲設定で、エアコンのオンオフ、自動運転(自宅の半径100mに入ったら電源オン、半径100mから出たら電源オフなど)の切り替えも行えます。
共働きや一人暮らしで家を不在にすることが多い方におすすめなのが、スマートフォンで鍵を操作できるスマートロックQrio Lockです。買い物の帰りで両手がふさがっている時でも、アプリをインストールしたスマートフォンを持っていれば自動で解錠。また、外出時も自動で施錠されるため、鍵のかけ忘れがなくなりセキュリティ対策としても大きな効果を発揮します。もちろん、従来の鍵を交換したり、ドアに穴を開けたりといった必要はなく簡単に設置できるため、賃貸住宅であっても導入が可能です。
省エネ、家族とのコミュニケーション増加などさまざまな効果を発揮するスマート家電
音声やスマートフォンアプリからの操作を可能にし、便利で快適な生活を実現するスマート家電。しかし、スマート家電のメリットはそれだけではありません。エアコンやテレビの電源消し忘れを防止や、電力消費量の可視化による省エネ効果、離れた場所に住む両親とのコミュニケーション強化などといったことにも効果を発揮します。
冒頭で紹介したデータからも、今後、スマート家電はさらに発展し、今以上に便利なものが増えスマートホームの普及が進むことは明らかです。多くの方が新生活を始めるこの時期に皆さまもスマート家電の導入を検討されてみてはいかがでしょう。