ドローンの選び方では何が重要?機能と性能はどちらが先か

ドローンを選ぶ基準と注意点を知ろう
最近はテレビ番組でもよくドローンで撮影した映像が流れます。地上や建物などの上からは撮影できない「浮遊感」のある映像は、まるで実際にその高さにいると錯覚してしまうほど大きなインパクトがあるので、「こんな映像を撮ってみたい」と思うのも仕方ありません。
しかし、間違って特定の機能がないものを買ってしまうと、無駄な買い物になってしまう可能性があります。逆に高額ドローンを買うのもリスクが高いため、ドローンはどんな基準で選ぶのが適切なのか、その「選び方」を解説します。
ドローンの選び方
ドローンには「空中を自在に動ける」「空撮できる」といったイメージがありますが、最近のブームからメーカー各社がさまざまなドローンを販売し、機能や性能にも幅があるため選ぶのは難しいのが現状です。ここではドローンを価格と機能性、メーカーという3つの視点から選ぶ際の考え方やポイントを紹介します。
1.価格で選ぶ
項目 | 初心者 | 中級者 | 上級者 |
用途 | 趣味・レジャー | こだわりの趣味・レジャー | プロに近い |
予算基準 | 数千円〜1万円程度 | 1万円〜7万円程度 | 10万円以上 |
ドローンを最初に価格だけを基準に選ぶのはあまりおすすめできませんが、予算は大きな要素です。ドローンは空中を自由に動かせますが、それは同時に「自分でうまく操縦しなくてはならない」ということです。初心者の腕前では、操作ミスなどで墜落し大破してしまう可能性があります。そうなればドローンにかけたお金があっという間にゼロになるかもしれないということです。
むしろ低価格で販売しているドローンでも性能の高いものもありますから、基礎的な操作や飛ばすときの諸条件を知るため、また数万円以上のドローンを大破させないための練習と考えれば、トータルでは予算が安く済むよい方法と言えます。
ドローンの価格は「そのドローンで飛ぶ以外に何ができるか」に大きく影響されています。どんな使い方をするのかをできるだけ具体的に挙げ、それに役立つ機能を備えているかどうかをチェックすればドローンは非常に選びやすくなります。
2.機能性で選ぶ
ドローンを楽しむためのポイントは、飛ぶ他に「何ができるか」が重要になります。そのために必要な要素は「大きさ」と「飛行可能時間」そして「カメラの性能」だと言えます。
・飛行可能時間・充電時間
・カメラの性能
大きさ
もし室内で飛ばして遊ぶくらいなら、小型ドローンでカメラがついていれば十分かもしれません。42mm角の小さなものなら十分楽しめますし、飛ばしても見失うことはないでしょう。しかし屋外で景色を撮影するのに使うならある程度距離があっても目視できるくらいの大きさは必要です。
また高い性能のバッテリーやカメラを搭載すれば重量が増すのは仕方ありません。十分な浮力を得るために大きめのプロペラが必要ですし、それだけサイズは大きくなるでしょう。こうなればどんどん大型化してしまいます。まず最初に必要な機能を絞り込み、それから可能であれば欲しい機能を追加するのが賢明です。ドローンは機能だけでなく重量や性能など他の要素とのバランスを考えて選びましょう。
飛行可能時間・充電時間
これはプロペラ数に伴うモーターの数やドローンの重量、そしてバッテリー容量によって変わります。プロペラが大ければ飛行は安定しやすくなりますが消費電力は多くなりがちで、それだけ容量の大きなバッテリーが必要です。飛行可能時間は数分程度から数十分程度ですから、電力が低下したら一旦着陸して充電する時間も短い方がより楽しむ時間が増えます。
ただ、熟練したユーザーでも10分以上集中して操作するのが限界です。そのため例えば風景写真を撮るならあらかじめロケーションを決め、あとは撮影するためだけに飛ばすといった段取りが望ましく、ドローンは何時間も連続して飛ばして楽しむものではないと心得て楽しみましょう。
カメラの性能
最近のドローンの多くにはカメラが搭載されています。静止画だけでなく動画も撮影できますが、カメラの性能によっては画質が粗くなってしまうものもあります。個人で楽しむだけなら自分の好みでよいのですが、例えば写真展に応募する、こだわりの趣味としてなど高画質のものが必要ならカメラ性能に注目すべきです。
カメラが備え付けられているドローンもありますが、中・上級者用になると別売タイプもあり高い性能の好みのカメラを取り付けることができます。このタイプなら、将来より高い性能のカメラが登場したときカメラだけを交換すればよいのでこだわる人には大いに役立ちます。しかし高性能のカメラには相応に費用もかかりますから、用途とのバランスを考えて選びましょう。
機能だけで選べば重量化・大型化する
空を飛ぶ機械はこれまでの歴史の中で常に「重量」と戦ってきました。できるだけ軽い方が浮かびやすいので当然なのですが、軽量であることと多機能化は多くの場合相反します。より機能の多いものを選べばそれだけ重量は増し、それを浮かべるだけのパワーのあるモーターとプロペラが必要です。それが十分に機能するにはある程度の長さの機体が必要。こうなると堂々巡りです。
ドローンは飛ばすことはもちろんですが付加する機能も重要です。しかし何もかもというわけにはいきません。絶対に欲しい機能のあるドローンを選び、それ以降は慎重にバランスを考えながら検討しなくては際限がなくなることも理解しておきましょう。
3.メーカーで選ぶ
元はと言えば、ドローンは軍事用に開発されたものでした。それが農薬の散布や高所での点検・整備といった産業用に使われるようになり、個人の趣味まで広がってきたためドローンを開発するメーカーも増え、独自の機能を持ったシリーズを開発するなど特色が分かれてきました。
3大メーカーのドローンは高品質
一般向けドローン市場の7割を占める中国の「DJI(ディー・ジェイ・アイ)」は飛行の安定感と安全性・コストパフォーマンスの高さで人気の「Phantom」シリーズなど多くの製品を手掛け、フランスの「Parrot(パロット)」はドローンブームの火付け役といわれています。これにアメリカの「3D Robitics(スリーディーロボティクス)」を合わせて「3大ドローンメーカー」といわれています。
必要な機能に絞り「メーカー問わず」選ぶ
これらトップメーカーの製品からドローンを選ぶと、操作のしやすさや性能・機能には納得いくでしょうが、その代わりに、自分が使わない機能も含めて「高額」になるのは覚悟しなくてはなりません。使い方によっては「ある程度の高さまで飛び、空撮できればいい」くらいならより幅広いラインアップから選ぶ方が賢明です。その分使い方はシンプルなものになり、価格も安く済むからです。
ドローンのベストな選び方
ここではドローンの選び方をより具体的に、「何に使うか」を基準として3つのパターンに分けて考えてみましょう。
1.とにかく飛ばしてみたいなら低価格でも
「ドローンってどんなものだろう」「ラジコンが趣味だから」とドローンに興味があってとにかく飛ばしてみたい初心者なら、低価格のドローンがおすすめです。ドローンはあまり操縦経験のない「飛行する機械」ですから、まずは「うまく操縦できるようになる」「ドローンはこういうものだと知る」ことが大切です。
低価格でも特色のあるドローンはたくさんあります。室内だけで飛ばす、飛ばす以外にも使いたいなど用途に応じて選べるだけ種類も豊富なので、「低価格」「用途にあった機能がある」を基準に選びましょう。それでも迷ったらバッテリーの性能や使うかもしれない機能の有無なども合わせて検討するとよいでしょう。
2.空撮に凝るなら4Kカメラ搭載
ドローンを買う人の多くは「空撮」が目的でしょう。空撮では風景などの「遠景」が多いため画像は「画素数」に大きく影響されます。デジカメと同じように画素数が多いほど細かな映像が撮影できますが、金額も上がります。最高品質「4K」で撮影できるカメラを搭載しているドローンもありますが、中・上級者用ならドローンとは別にカメラを買って搭載する方法もあります。
カメラ内蔵ドローンなら、実際に撮影した画像や動画は必ずチェックしましょう。できれば実際の撮影をデモンストレーションで確認するのも有効です。ただ、カメラの重量によっては特定のドローンには搭載できない場合もあります。カメラの電源・重さも併せて「実際に飛べるかどうか」を検討してください。
3.特殊な用途は必須の機能と法律を併せて検討
海外の農場ではドローンで農薬などを散布することがあります。しかし日本で同じようにドローンを使うには「法律が違う」ことを念頭に置いて考えなくてはなりません。日本では事故を防ぐために「人口集中地区」などドローンの飛行が制限される場所が数多く定められているため、自分の農場であっても飛ばせないこともよくあるのです。
もちろん搭載して飛ばせるだけのパワーが必要で、一定の時間連続飛行できるバッテリー容量は必要です。しかし農薬を搭載できるドローンは重量200gを超えるものばかりですから、飛ばすには正式な認可が必要なことにも注意が必要です。
もし水中の様子を撮影するなら、精密機器であるドローンは完全防水でなくてはならず、見通しのよくない水中ですから万が一にも見失ってしまわない機能も必要です。
おすすめのドローン
ここではより具体的におすすめのドローンを紹介します。それぞれ性能・機能が違うので、用途に最も近いものを中心に比較検討してみてください。
商品名 | PXY SMART | Airblock | POWER RAY WIZARD |
画像 | ![]() |
![]() |
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寸法(mm) | 42x42x22 | 230x222x53(飛行モード) | 465x270x126 |
質量(g) | 17 | 150(飛行モード) | 3,800 |
価格(税込) | 8,856円 | 9,900円 | 248,000円 |
特記事項 | 超小型 | プログラミング知育用 組立・変更可能 | 水中ドローン 魚群探知機能 |
商品詳細 | https://plusstyle.jp/shopping/item?id=165 | https://plusstyle.jp/shopping/item?id=263 | https://plusstyle.jp/shopping/item?id=291 |
これらのラインアップから分かる通り、ドローンも一つの「商品」としてさまざまな価値を持つようになってきています。機能や性能を細かにチェックして自分にぴったりな一台を探し当てましょう。
価格重視の人はAirblock
商品名 | Airblock |
商品画像 | ![]() |
寸法(mm) | 230x222x53(飛行時モード) |
質量(g) | 150(飛行モード) |
価格(税込) | 9,900円 |
特記事項 | プログラミング知育用 組立・変更可能 |
商品詳細 | https://plusstyle.jp/shopping/item?id=263 |
価格1万円以内でドローンを飛ばしたいなら、Airblockがおすすめです。プロペラが全部で6つあり、飛行モードでは安定性・操作性に優れ、さらにスクラッチのようなビジュアルプログラミングアプリで子供でも簡単に楽しくプログラミングを学びながら遊ぶことができるからです。
Airblockはコアにあたる中央のブロックを中心に自由に組み立てられます。プロペラのうち3つだけを使った飛行モードや、同梱のホバークラフトベースに取り付ければ室内の床や波・しぶきの立たない水面で使用でき、2台以上あればレースで競うこともできます。
またコアのブロックとプロペラは強力な磁石で取り付けられていますから、万が一落下してもブロックがバラバラになることで衝撃を和らげ破損を防ぎます。室内はもとより屋外でも安心してドローンを楽しむことができます。
口コミ
・学校の授業とは別のブログラミング練習になる
・飛行だけでなく水上でも遊べる
・Bluetoothに接続できないことがある
・作りが安っぽい
ほとんどは「良い評価の口コミ」でしたが、一部に動作不良に関する「悪い口コミ」もあります。ただ、ブロックを組み立てるように遊び方を変えられるのは、子どもにとってはもちろん大人のユーザーにとってもとても興味の持てる要素です。
また近く授業に導入されるプログラミングを、実践する形で学べるのも大きなポイントです。子どもの好奇心が掻き立てられ、さらに操作も感覚的にも身につけられるドローンです。
水中で利用したいならPOWER RAY WIZARD
商品名 | POWER RAY WIZARD |
画像 | ![]() |
寸法(mm) | 465x270x126 |
質量(g) | 3,800 |
価格(税込) | 248,000円 |
特記事項 | 水中ドローン 魚群探知機能 |
商品詳細 | https://plusstyle.jp/shopping/item?id=291 |
ドローンが活躍できるのは何も「空中」だけとは限りません。ダイビングの前に水中の様子を確かめたり、水に触らずに水中の美しい眺めを画像に残すならPOWER RAY WIZARDがぴったりです。強力なLEDライトを装備しているので水中でも鮮明な映像の撮影が可能です。
また同梱のVRゴーグルは同時に複数が接続可能で、まるでドローンとして水中にいるようにジェスチャーコントロールで操縦をサポートできます。さらに搭載されているカメラは4K対応の1,200万画素という高性能。さらに臨場感が高まります。
もう一つのうれしい機能は「魚群探知機」です。スマホと連携すればアプリ上にリアルタイムで水温や水深、海底の地形と魚の状況を表示し釣りはもちろん魚の撮影にも大いに役立ちます。
口コミ
・魚群探知機で魚の泳ぐ映像を撮影しやすい
・カメラの性能が高く映像に見応えがある
・水中で使うことが少ない人には高価
・VRゴーグルだけの操縦が難しい
高価なドローンですが、水中型に特化したうれしい機能が満載ですから、日頃からマリンレジャーを楽しんでいる人にとっては大いに役立ちます。ただ一般的な「ドローン」と考えると操作が全く違うため、空中とは違った熟練が必要です。
メーカー重視の人はPXY SMART
商品名 | PXY AMART |
画像 | ![]() |
寸法(mm) | 42x42x22 |
質量(g) | 17 |
価格(税込) | 8,856円 |
特記事項 | 超小型 |
商品詳細 | https://plusstyle.jp/shopping/item?id=165 |
PXY SMARTは、ラジコン機器輸入卸売販売の「G-Force」が販売する超小型ドローンです。全長42mmの超コンパクトなインドアドローンながら、スマホに専用アプリをインストールすれば期待の操縦はもちろん映像の撮影・保存や、カメラでライブビューを楽しめます。
スマホとの接続はWi-Fi(無線LAN)で、もちろんタブレット端末でも可能。操作はタッチスクリーンや加速度センサーなど端末の機能をフルに使うためとても感覚的でスムーズです。
口コミ
・持ち運びが便利
・子どもでも簡単に操作を覚えられる
・屋外で使えないのが残念
・バッテリー残量が低下すると勝手に着陸してしまう
販売元のG-Forceは、ラジコン関連機器の販売元としてこれまで数多くの製品を販売しています。PXY SMARTは万が一のサポートもG-Forceが受け付けていますから、長く使う上ではとても安心できます。小さいながらもカメラを搭載しているのでカメラ視点での操作の練習としても大いに役立ちます。
またPXY SMARTはこの小ささと手軽さから「子どものおもちゃ」のように考えることもできます。今後ドローンは想像を超えるような方法で広く利用される可能性があります。将来社会に出る子どもたちがドローンとはどういうものか、うまく使うにはどんなコツが必要かを知る上で一つの「勉強道具」となるかもしれません。
ドローンは予算と用途のバランスを考えて選ぼう
現在販売されているドローンの種類は多く、一つを選ぶのは簡単ではありません。選ぶ基準は主に「予算」と「用途」の2点で、どちらに偏ってもよいものは選べない可能性があります。
・カメラやバッテリー・ドローン本体は性能と質量のバランスが重要
・性能と機能は自分が使うものに限ると選びやすい
ドローンを選ぶとき、少しでも性能のよい、機能の多いものを選ぼうとすればかかる金額は高くなるばかりです。それだけ高性能・高機能ドローンを買ったとしてもその機能が活かせないなら意味がありません。ドローンはあくまで「自分が使う機能だけを備えているもの」に限れば予算を押させられると同時に選びやすくなります。
また逆に、選ぶ段階で自分に必要な機能に気づくことがあるかもしれません。子どもの勉強や経験の一環としてドローンを活用できる場面もあります。空撮で写真に興味を持ったり、プログラミングを実地で体験できるなどドローンの活用範囲は今後も広がると考えられます。
ドローンを選ぶには、まず絶対に欲しい機能を絞り込み、それをまかなえる最低限の性能を持つドローンを選び出します。その後、段階的に優先度の高い機能から付加したドローンを探します。予算だけ、性能・機能だけで選べば、結局は自分の欲しかったドローンではなくなる可能性があります。あくまでそのバランスを確かめながら慎重に選ぶようにしましょう。